制度の複雑さ
年金制度の歴史は古く、戦時中にはすでに制度がありました。その後改正につぐ改正により、制度は複雑になる一方です。制度と手続きを最も複雑にしているものが「加給年金」制度です。本人、また配偶者の受給状況により支給になったり、停止になったり、年齢により振替加算となったり、旧法では扱いが違ったりと。請求時に戸籍・住民票・所得証明と多くの書類が必要となるのは、加給年金制度のためです。
財政の問題
年金は世代と世代の支えあいという素晴らしい社会保障の精神に基づいて設計されています。この精神は素晴らしいのですが、あくまで支える側と、支えられる側のバランスがとれてはじめて成り立つものです。昨今は、「少子化」「寿命の長期化」等により、バランスが大きく崩れています。これが年金不信に拍車をかけ、悪循環となっています。
年金は破綻するのか?もらえなくなるのか?
年金が破綻することはないでしょう。収支のバランスが崩れないよう、保険料アップ、給付の抑制を行っているためです。極端な話として、年間10万円の年金しかもらえない状況であっても、一概に破綻とはいえないでしょう。
もらえなくなるかどうかについては、政治家がもう年金制度は終わりにしようと年金廃止法案が可決され、実施されるという状態であればもらえないでしょうから、可能性はあるのでしょう。ただし、実際そのような考えを持つ政治家、政党が多くの国民から支持され、過半数を占めることは考えにくいので、この点からいえば可能性はほとんどないでしょう。
あとは、日本が未曾有の危機の状態、国が滅ぶほどの天変地異、また外国からの占領状態となれば年金どころではないでしょうが、これもまた可能性は非常に低いものであるため、可能性は0ではないのでしょうけど、もらえなくなることはありえないといえると思います。
年金は多くの人が払ってない?
よくマスコミ報道などでとりあげられる「4割の人が払ってない」というのは、あくまで国民年金第1号被保険者の中でのことであって、制度全体からみれば、未納者の占める割合はごくわずかです。(5%未満) 厚生年金加入者、国民年金第3号被保険者は原則として未納はないためです。
さらに、未納者に対しては、受給権がつかなかったり、もらえても、支払いや免除期間のみの期間に応じた年金額しかもらえないため、この点からいえば不公平はありません。年金には多くの税金が投入されており、未納者はもらえない年金制度に税金だけは支払っていることになり、未納者は損をしていることになります。
ただし、日本では最終的には生活保護で保護しなければなりませんから、税金が使われることになるため、ここに問題が生じてしまいます。